離婚時に養育費の取り決めをしなかった場合に一定の金額を請求できる「法定養育費制度」は、2026年4月1日に施行されます。
法定養育費制度についてと、その金額の妥当性などを考えてみました。
1. そもそも養育費とは?
養育費とは、離婚や別居をした親の一方が、子どもを育てている親に対して支払う生活費のことで、食費・教育費・医療費など、子どもが成長するために必要なお金を含みます。
2. なぜ問題になるのか
日本では、離婚後に養育費がきちんと支払われないケースが多いのが現状です。厚生労働省の調査によると、養育費を受け取っている母子家庭は約3割弱にとどまり、未払い問題が深刻です。
出典:厚生労働省 令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告
養育費がもらえない理由は?
・支払い義務者の経済的困難
・養育費の取り決め自体をしていない
・強制力が弱く、支払い逃れが容易
……といった点が挙げられます。ちなみに我が家は元夫が離婚時に無職だったため、経済的困難ということで請求できませんでした。腹立つ。
3. 法定養育費制度とは
こうした状況を改善するために議論されているのが 「法定養育費制度」 です。
これは、裁判や協議で個別に養育費を決めるのではなく、法律で養育費の金額や支払い方法をあらかじめ定める制度 のことです。
仕組みの例
・子どもの年齢や人数、親の収入に応じて自動算定
・公的機関が徴収・支払いを仲介(給与からの天引きなど)
・未払いがあれば強制的に差し押さえ
4. 海外の事例
ドイツ
ドイツには「養育費保証制度(Unterhaltsvorschuss)」があり、養育費が支払われない場合、国が立て替えて子どもに支給します。その後、国が支払い義務者に請求する仕組みです。
→ 子どもが養育費を受け取れないリスクをゼロに近づけています。
スウェーデン
スウェーデンでは「養育費は国が支給 → 親から徴収」という仕組みが基本です。養育費の額も国家基準で明確化され、親同士のトラブルを最小化しています。
→ 子どもの貧困防止と平等な教育機会の確保につながっています。
アメリカ
アメリカでは「州政府が養育費の管理・徴収を行う仕組み」が整備されています。給与差し押さえや税還付金の充当など、強制力が非常に強いのが特徴です。
→ 養育費支払い率が日本よりも高い水準を維持。
5. 法定養育費制度のメリットと課題
メリット
・養育費を確実に子どもに届けられる
・親同士のトラブルを減らせる
・子どもの貧困対策につながる
課題
・国や自治体の負担増
・支払い義務者の生活とのバランス
・実務を担う機関の整備
6. 養育費は2万円で足りるのか?
気になるのは、今回一定額として設定された「月額2万円」という金額です。子どもの教育費を考えると、公立小学校でも給食費と教材費で毎月1万円はかかりますし、食費や習い事など考えると2万円というのは結構ギリギリという額ではあります。ただ、私の元夫のように離婚調停時に無職なので養育費を請求できない、というパターンを考えると、2万円というのはMAXではある、という金額でもあります。
ちなみに法定養育費制度が始まる前に離婚をした場合は、法定養育費を請求できないのだそうです。ご注意ください。